例えばスクリーンショットのトリミングをする際に、枠(枠線)の外側の余白だけを綺麗に消したいときがある。
こんな感じで赤枠のスクリーンショットから、商品リンク画像のみ枠線ギリギリで綺麗にトリミングしたい。そんな衝動に駆られるときがある。
僕にとっては日常的に行っている作業のひとつ。
最強フリーソフトGIMPの「矩形選択」を使えばトリミング自体は簡単に行える。しかし枠線部分を完璧に残して、不要な余白のみ消すとなると手動では難しい場合がある。
そんな場合は「ファジー選択」ツールを使うことになる。
ファジー選択で画像の余白のみ綺麗に消す方法
では実際に、冒頭で示した画像(スクショ)から必要な部分のみトリミングしてみる。
まず「矩形選択」ツールで大雑把に選択して、【画像】→「選択範囲で切り抜き」をクリック。
「ファジー選択」ツールのオプション、「見えている色で」「対角に隣接」にチェックを入れて、切り抜いた画像の不要な余白をクリックする。(※僕の環境では2回クリックしないと、選択範囲が作成されなかった?)
「対角に隣接」にチェック入れると、枠線を認識してはみ出さないように自動選択してくれる。これで問題なければ【削除】する。
分かりやすいかと思って画像の下に黒いレイヤーを置いている。
さらに余白を含まない画像サイズで切り抜く。
レイヤーダイアログで画像レイヤーを右クリックして、「不透明部分を選択範囲に」を選択して、【画像】→「選択範囲で切り抜き」をクリック。
綺麗に枠線を残して、ジャストサイズで目的の部分をトリミングする事が出来た。
今回のように、枠外の余白が単色で選択しやすい場合は問題ない。しかし次に紹介するような画像のトリミングは少々厄介なことになる。
余白部分のピクセル情報が多い場合
今度はこの画像の赤枠部分で切り抜いてみる。普通は「矩形選択」でサクッと切り抜けばいいだけの話。今回はあえて「ファジー選択」にこだわっている。
画像の一部を拡大(800%)してみると、余白部分にグラデーションがかかっていて、先程のように「ファジー選択」で一括選択できそうにない。
ただし目を凝らしてみると、ウィンドウのアウトラインが縁取られているのがわかる。この手のウィンドウは大抵そうなっている。
ここを「ファジー選択」(しきい値:5.0)してみる。
すると2つのウィンドウの枠線が綺麗に選択された。次に現在の選択範囲をパスに変換する。(※パスに変換したら選択範囲は解除してOK!)
外側のパスのアンカーを移動(編集)して全体的に押し広げる。不要なアンカーポイントは、【Ctrl+Shift+クリック】で削除してから作業する。
パスの間隔を適度に広げたら再び選択範囲に変換して削除する。これでウィンドウの周りに透明な余白が確保された。
あとは不要な部分を大雑把に削除したうえで、先程と同じように不透明部分をトリミングすればいい。
※「しきい値」が大きくなるほど、ピクセル情報の判定が曖昧になる。
GIMPの小技(レベル2)
今回は「ファジー選択」ツールと「パス」ツールの合せ技による、トリミングのやり方を紹介してみた。
どちらも未曾有の可能性を秘めたツールだと思う。
ただGIMPの基本操作をマスターしていないと理解に苦しむ部分もあったかもしれない。そこは各自調べるなり、僕にツイッターやお問い合わせで質問して欲しい。